これは二人用のシナリオである。 難易度としては中程度、プレイ時間はボイスセッションで2時間程度である。

事前の公開情報

初期グリット:3
チャレンジ:3
クエリー:2
リトライ:3


・エントリー1
※日本刀or妖刀or忍者刀のパワー取得必須
君は日本刀を使うヒーローだ。
近頃、刀の様子が異様である。
何か妖気を身に纏っているような、意志を持っているような、、、、己の物ではないような。
そんな日々が一週間ほど続いているが、君は今日もヒーローとしての活動を行っている。

・エントリー2
君は今連続通り魔事件を追っている所だ。
ここ一週間で一日に一人、街中で突如として血を吹き出し、倒れている。
君は僅かな手がかりと己の勘を頼りに、
事件の匂いがする雑踏を行くのだった。

◆GM向け情報
日本刀、妖刀、忍者刀のパワーの取得についてはエントリー2のPCも取得の制限を設けていない。好きなPCでくると良いことを伝えておくように。
PC二人が日本刀、妖刀、忍者刀のいずれを取得していた場合、エントリー1の導入の描写は両PC二人ともに共通して入れる事。つまりPC2は二つの導入に登場することとなる。
尚、成長点は10~30程のヒーローがちょうど良いと考えている。
新規には点数を与える、点数の多い者には敵を調整するなどの処理を推奨する。

◆シナリオ概要
とある刀鍛冶師は「刀とは人を斬るもの」として刀を打っていた。
そしてある時ありとあらゆる刀に「人の血を吸え」と意志を与えた。
こうして意志を与えられた刀は暴れ、連続辻斬り事件が起きたのである。

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導入フェイズ

[イベント1 刀]
・登場キャラクター:PC1(PC2)
・場所:各自の拠点となる場所

状況1
平和とは言えぬ日々の中で、ヒーローである君は忙しない日々を送っている。
君は愛用する刀に「調子はどう」など聞けど応えは返ってくるか来ないのか。
しかしその刀もここ一週間の様子がおかしい。
何を身に纏っている?何の気配がするのだろうか?
果たしてこれは自分のものなのか?・・・お前は誰だ?

解説1
ここの時点で、この近辺の刀という刀に意志が刀鍛冶師によって与えられている。
もはやこの刀はPCのものであってPCのものでは無いのである。

状況2
君は刀に何か声をかけるかもしれないし、手入れをするかもしれない。
何はともあれ、君は今日もヒーローとしての1日を過ごすのである。


エンドチェック
□PC1(2)が刀の異変を感じた
□PC1(2)がヒーローとしての活動を開始した


[イベント:2 連続通り魔事件]
・登場キャラクター:PC2
・場所:雑踏

状況1
君は今、連続通り魔事件を追っている。
それは街の雑踏の中、突如として起こる。
ここ一週間、1日に一人が犠牲となり、血を吹き出し、倒れている。
近くに怪しい人影は無し、目撃者は多数おれど、有益な情報は無し。

解説1
犠牲者の近くには刀を使う者が常に側にいる。
これは意志を持った刀による辻斬り事件であるのだ。
だが刀は一瞬にして持ち主の元を離れ犠牲者を斬る。
物理では説明できない事象による為、誰も感知できないのだ。

状況2
君はこの難解な事件に対して、何を思うだろうか。
それでも君はわずかな情報と自身の勘を頼りに事件の起こりそうな雑踏を行くのである。


エンドチェック
□PC2が連続通り魔事件を追うことにした
□PC2が事件を追い、雑踏を歩んだ

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展開フェイズ

[イベント:3 紅い華]■チャレンジ1
・登場キャラクター:全員
・場所:雑踏

状況1
所は雑踏。
君達はそれぞれ訳あって個々で雑踏を歩んでいる。
見渡す限りの人、人、人、、、
何も起こらなそうな一見、平和に見える昼下がりの事だ。
そんな中PC2の予感は嫌な事に的中する。
突如として赤き鮮血を吹き出し倒れる人が一人。
辺りは阿鼻叫喚となり、蜘蛛の子を散らした様に人々は避けて行く。
それはまるで紅い華が咲いたか如く。

解説1
おそらくここでPC1,2が合流する事だろう。
この惨劇を起こしたのはPC1の刀である。
一瞬にして獲物を見つけたPC1の刀は持ち主の元を離れ、一瞬にして人を斬ったのだ。

チャレンジ判定

・判定1
PC1のみ〈意志〉の判定を行う
∟成功:一瞬刀が言うことを聞かなかったことが解る
失敗:何も解らなかった
・判定2
PC2のみ〈知覚〉または〈生存〉の判定を行う。傷口から手掛かりを追う。
∟成功:傷口は刀傷の様であり、何か妖気を纏っている様に思える。
失敗:何も解らなかった

このチャレンジ判定のいずれか一つでも失敗したまま次のイベントに進んだ場合、次のチャレンジ判定全てに-20%の修正を受ける。

状況2
被害者は病院へ運ばれ手当てされることだろう。
PC達は協力して事件を追うこととなる。

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[イベント:4 妖気に潜む]■チャレンジ2
・登場キャラクター:全員
・場所:任意

状況1
事件を追うにあたりに君達は情報を整理しなければならないだろう。
しかし、PC1は己の刀がまた異質なものを纏っている事に気がつく。
抜刀してみれば刃は血に濡れている。

チャレンジ判定

・判定1
〈知覚〉または〈霊能〉または〈追憶〉の判定。傷口から感じた妖気を調べる。
∟成功:妖気から鍛治師の念のようなものを感じる。それは様々なヒーローの刀を打ってきた熟練の鍛治師のもののようである。顔や鍛冶場の様子も見える事だろう。
失敗:時間はかかるが上記の情報は落ちる。
・判定2
〈追憶〉または〈作戦〉の判定。事件を整理する。
∟成功:調べれば第一発見者と言えるほど近くに日本刀を使うヒーローが居た事が分かる。
失敗:時間はかかるが上記の情報は落ちる。


このチャレンジ判定は一つ失敗するごとにグリットが一つ減る。
そして成功した際の情報が落ち、再挑戦はできないものとする。
グリットプールにグリットがない場合クエリーグリットが消滅する。

解説1
刀鍛冶師は己自身の念で刀に意志を与えた。
それはこの付近の刀という刀に与えられた為、事件を起こしているのは常に刀を持ち歩くヒーローの刀である。

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[イベント:5 少年の刀]■クエリー1
・登場キャラクター:全員
・場所:任意


状況1
君達が刀鍛冶師の事、第一発見者のヒーローの事などの情報に行き着いた時、君達を訪ねてくる者が居る。
それは十代後半程の少年のヒーローである。彼は腰に日本刀を携えていた。
(特に指定はないが少年はジャスティカを想定している。)
そして彼は「貴方方が今日の事件の第一発見者ですか?」と問う事だろう。
彼は続ける。
「一昨日の事件、俺が第一発見者なんです。」
「側にいながら事件は防げなかった事も悔しいのですが、家に帰った後刀の手入れをしようとしたら、、、おかしな事を言うかもしれません。刀が血に濡れていたんです。でも俺は何も心当たりが無いのです、本当です。」
「貴方方も日本刀を使うヒーローですよね?・・・近頃刀がおかしいとか、ありませんか?」

解説1
少年の報告の通り、少年は2日前の事件の第一発見者であり、彼の刀が暴走し人を斬りつけた。
少年の刀は、黒幕の刀鍛冶師が打ったものであり、少年は刀鍛冶師の事を知っている。
PCらが少年に刀鍛冶師の話を出さないようならば、少年に「また、あの鍛治師さんに調整して貰わなきゃ・・・」等の発言で匂わせ、誘導するのが良い。

状況2
少年に刀鍛冶師の事を聞けば、先程見た妖気の念から見た刀鍛冶師の特徴と一致する。
詳しく少年に尋ねれば、刀を打っている鍛冶場の場所も、鍛治師の事も教えてくれるだろう。
鍛治師は50代の男性で、鍛治師としては若いが腕は確かであると言う。


エンドチェック
□少年から話を聞いた
□PCが刀鍛冶師の元へと向かった
□グリットを一点得た

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[イベント:6 刀鍛冶師]■チャレンジ3
・登場キャラクター:全員
・場所:鍛冶場


状況1
鍛冶場に行けば入口は空いており、入れるようになっている。
火の粉の舞う音、鉄を叩く音が響き、壁にはたくさんの刀が飾られている。
奥に刀鍛冶師はおり、その周囲には若い弟子が二人居る。
奥に進めば刀鍛冶師は君達に気がつく事だろう。
「おや、客人か。」
低くゆっくりとした声色で言い、刀鍛冶師は立ちがると君達に近付いてくる。

状況2
刀鍛冶師は君達の問いに一切、答えない。
君達が何者で何をしにきたのかを察すれば、刀鍛冶師は、
「ふむ、刀を扱う者か・・・ああ、皆、客人だ、歓迎したまえ」
と言うだろう。
そう口に出した途端、壁に飾られていた刀が一人でに動き出し宙に浮かび、君達を囲む。
そしてPC1(または1.2共に)の刀が暴れ出そうとする。

チャレンジ判定

・判定1
※日本刀、妖刀、忍者刀のパワーを所持している者
〈意志〉-10%の判定。刀を制御する。
∟成功:刀は大人しくなる。
失敗:刀は己のものでは無くなり、御せなくなる。決戦フェイズでのパワーの変更(下記参照)
・判定2
※日本刀、妖刀、忍者刀のパワーを所持していない者
〈運動〉または〈霊能〉の判定。襲ってくる刀を避ける。
∟成功:うまく避ける事が出来る。
失敗:2d6点のライフを失う。


判定1に失敗した場合、決戦フェイズでの日本刀、妖刀、忍者刀のパワーを使う際に、以下の修正を受ける。

まずパワーの使用の際、〈意志〉−20%の判定を行うこと。
失敗した場合、判定をする事無く攻撃は目標に当たり、目標に8d6点のダメージを与えるが、君は4d6点のスティグマを受ける。
「暴れ刀となったこいつは手加減ができない。」

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[イベント:7 人斬り包丁]■クエリー2

・登場キャラクター:全員
・場所:鍛冶場


状況1
刀鍛冶師は宙の刀を操り君達に向けたまま、問う。
「刀とは…武器だ。人斬り包丁、人を切らずしてなんの存在価値がある?刀は血潮を吸う生き物だ。そうだろう?」

解説2
この刀鍛治師の問いがクエリーとなる。
クエリーに答えたのち、刀鍛冶師は何も返答する事なく、決戦へと行く。


エンドチェック
□刀鍛治師の問いに答えた
□グリットを一点得た

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決戦フェイズ

[イベント:8 鮮血と刃]■バトル
・登場キャラクター:全員
・場所:鍛冶場


状況1
刀鍛冶師は君達に多数の刀を向け、弟子二人も応戦する事となる。
彼らは多くを語る事はない。


戦法
刀鍛冶師はエリア4、弟子女子と弟子男子はエリア3となる。
ヒーローはエリア1か2を選択する事。
戦術としては弟子二人が小まめに「居合い」でダメージを与える。
刀鍛冶師はヒーローが臨死に入るまで「夜叉語り」をし、「吹雪撃ち」をバランス良く扱う。
ダメージの調整として「鬼の接吻」を使うと良い。


刀鍛治師

【肉体】40 白兵80% 運動45%
【精神】50 霊能110% 知覚70%
【環境】40 作戦60% 経済70%

【ライフ】60
【サニティ】70
【クレジット】50

・夜叉語り
属性:攻撃 判定:-
射程:3 目標:2体
代償:ターン10
目標は〈運動〉−20%の判定を行う。
失敗したキャラクターは3d6点のダメージを受ける。このパワーは臨時状態の者を対象には出来ない。
「斬れと呼ぶのだ、仕方無かろう」

・吹雪撃ち
属性:攻撃 判定:霊能110%
射程:3 目標:2体
代償:ターン15
目標は〈運動〉-10%の判定を行う。
失敗したキャラクターは1d6+1点のダメージとショックをそれぞれ受ける。
その後目標は意志-20の判定をする。失敗したキャラクターは不調を受ける。
「寂しやな、佗しやな」

・鬼の接吻
属性:攻撃 判定:霊能110%
射程:3 目標:1体
代償:ターン10
目標に1d6+2点のダメージを与える。
その後目標は〈意志〉-20%の判定を行う。失敗した場合、与えたダメージの分だけ君はライフを回復する。
「血潮を吸うまで鞘には収まらぬ」

・羅刹の加護
属性:妨害 判定:-
射程:3 目標:1体
代償:サニティ4
君が攻撃の対象となった時に使用できる。
その攻撃の判定に−30%の修正を与える。
日本刀、妖刀、忍者刀のパワーの対象となった場合は使用できない。このパワーは1ラウンドに一回まで使用できる。
「斬り捨てられるの以外、御免。」


弟子男子

【肉体】30 白兵80% 運動40%
【精神】30 霊能70% 意志40% 知覚70%
【環境】30 作戦50% 隠密60%

【ライフ】30
【サニティ】30
【クレジット】20

・居合い
属性:攻撃 判定:白兵80%
射程:1 目標:1体
代償:ターン10
目標に1d6+2点のダメージを与える。
「問答無用!」


弟子女子

【肉体】30 白兵80% 運動40%
【精神】30 霊能70% 意志40% 知覚70%
【環境】30 作戦50% 隠密60%

【ライフ】30
【サニティ】30
【クレジット】20

・居合い
属性:攻撃 判定:白兵80%
射程:1 目標:1体
代償:ターン10
目標に1d6+2点のダメージを与える。
「問答無用!」

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余韻フェイズ

状況1
鍛治師は「血は吸えたかな、さあ、鞘に収まりたまえ。」と言うと倒れる。

解説1
弟子も鍛冶師も多く語る事は無いが、刀に対する敬意を持って居る事を念頭に置く事。


その後は自由に描写すると良いが、最後の描写の例として以下を挙げる。

「暴れ刀の一連の辻斬り事件は君達によって解決された。
また平和とは言えない何時もの日々が戻ってくるのだ。
そして全ては元の鞘に収まるのである。」

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■各PCは最大8点(グリット7点分+ボーナス1点)の成長点を得る。

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